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子どもがいるから、自由に生きる。

お子様お断り!「風立ちぬ」の感想

 先日、宮崎駿氏の最後の作品(となるであろう)、『風立ちぬ』を鑑賞してきました。その感想です。色々複雑な気持ちになりましたので、まとまりはありません。

 とりあえずまぁ、ひとつ言えるのは子どもは見ても全く面白くないだろうなぁということ。というよりも、大人、子ども関係なく、この映画、宮崎駿氏が自分の作りたいものを作った。ただそれだけのものであり、観客に楽しんでもらいたいとか、そういうことは全く考えずに作られているなと。別にそれが悪いということではありません。むしろいわゆる職人気質の人に、このような傾向は頻繁に見られることでしょう。それでも、やはりアニメーション映画というのは観客を意識されているものが多いと思うのです。だからこそ、観客無視の『風立ちぬ』は異彩を放っています。

 そして宮崎駿氏が作りたいように作ったわけですから、彼の思想が色濃く反映されています。この映画を見て、そして宮崎駿氏のインタビューなどを読んで、宮崎駿氏は『資本主義や、現代日本を非常に否定的に捉えている』ことが伝わってきます。そしてその考えと私自身の考えが噛み合わない(私は資本主義は素晴らしいと思っているし、現代日本についても基本的にポジティブです)ため、鑑賞した後味はあまりいいものではありませんでした。

 また、二郎と菜穂子の恋愛の話は、正直必要だったのかなと。結核と戦い、愛する人との思いはそれはそれで美しいのですが、あまり必要性を感じないというか。それをいってしまったらおしまいなのかもしれませんが。

 それでもやはり映像は美しく、音楽は素晴らしく、何より「プラスにもマイナスにも心を揺さぶられる映画はいい映画」だと自分は思っているので、やっぱり観てよかったなと。もしまだ観ていないという人がいたら、強く薦めたいです。