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子どもがいるから、自由に生きる。

家族への価値観、3つの考え

 最近、家族についての価値観で考えさせられる機会がありました。登場人物は3名。AさんとBさんは「家族は大事だ」と思っています。Cさんは「家族なんて、別に大事ではない」と思っています。面白いのは、AさんとBさんがそのような考えに至った経緯が全く逆だということ。Aさんの育った家庭は家族仲がよくなく、両親は離婚しているそうです。だからこそ「家族は尊いもの」だと考えています。Bさんは昔も今も家族が大好きで、だからこそ「家族は素晴らしいもの」だと考えています。ではCさんは家族仲はそれほど良くなく、かといって離婚をするようなこともありませんでした。だから「家族なんて、どうもいい」と考えています。まとめると、こんな感じになるといえるでしょう。

Aさん→ 家族仲が悪い → 本当は大事(なもののはず)

Bさん→ 家族仲が良い → だから大事

Cさん→ 家族仲が悪い → もういらない

 生育環境が同じようなものであっても(家族仲が悪い)、導き出される結論が違うことも面白いですし、生育環境が異なっても(家族仲が良い、悪い)、結論が同じであることも面白い。ただ、実は家族が大事と思っていても、大事だと思っている家族像が異なることもあるということに気が付きました。というのも、Aさんは理想像の家族が尊いものだといっているわけです。対してBさんは経験からくる家族が尊いものだといっているわけです。そうなると、Aさんのほうが理想というある種固まった形にこだわる傾向があり、理想と違うと強い嫌悪を示すことになるかもしれません。対してBさんは実際の経験からくる家族を大事だと感じているため、ある程度の融通がきく可能性が高いと考えられます。(実際の家族をみてきたのであれば、いい面ばかりというわけはなく、それでも家族は大事という結論になっているからです)

 このように考えていくと、当たり前のことではありますが、その人の考えを知るには、その背景、歴史を理解していないと議論にならないということがわかります。人物史を理解することが、その人の考えを知る上で非常に役立つのです。そして更にいうならば、その時の感情が伴っていないと意味のないものとなるのではないでしょうか。5人家族でした。関東に住んでいました。という情報ももちろん無意味とは言いませんが、それだけではその人を理解する上での重要なポイントにはならないのです。それよりも、どんなことに喜びを感じたりしたのか、悲しかったりしたのか。その時の感情がこうだったから、このような考えに至ったのだ。ということになってくるわけです。

 そして最後に、このことは人物史を理解して人を理解するという話でしたが、これは自分についても当てはまると思うのです。自分が何に興味関心を持ち、楽しいと感じたのか?悲しいと感じたのか?今は感じたけれど、昔は感じなかったとか。そのような変化をつぶさに感じ取る感性をもつと、自分の理解にも役立つと思います。