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読書感想文・自分の言葉で語る技術(2013年1月分)

題名: 自分の言葉で語る技術

著者: 川上 徹也

 タイトルは『語る技術』となっていますが、要は『自分の言葉でアウトプットする方法』ということですから、文章を書く上でも参考になることが多々ありました。「借り物の言葉をそのまま使わない」「言いたいことを一行でいえるようにする」「最も言いたいことは最初に持ってくる」「相手に合わせた言葉で語る」「言葉の力を知って適切に使う」「意見を求められたときは、感想だけを言わない。(「なぜなら…○○だから」というクセをつける)」などなど、今すぐに使える自分の言葉で語る技術が目白押しです。

 その中でも自分が特に気に入ったのが、『「例えば」と「要するに」を繰り返す。』ということ。これは要するに「具体化」と「抽象化」を繰り返す。ということです。「要するに」が「抽象化」、「例えば」が「具体化」です。この辺りのことについては別途書きたいと思っているのですが、「具体化」と「抽象化」を繰り返す、その能力を高めていくことは、生活全般で役に立ちます。「抽象化」とは注目すべき要素を引き出すこと、すなわちもっとも重要なことは何かに注目するということ。これはいわば、問題点の抽出と言い換えることができます。『問題解決力』がビジネスシーンでは必要不可欠!といわれて久しいですが、そのためにはまず問題は何か?という『問題設定力』が最初に必要であり、そのことが「抽象化」する能力に集約されるわけです。

 更に「抽象化」することで問題を引き出すことができても、抽象化されたままの状態ではそのことを周りに説明することは難しいかもしれません。しかし具体化することで、その問題点が誰にでもわかる形となり、理解を得られるようになるのです。この具体化と抽象化の考え方については、書き方は大分異なりますが、大前研一氏の名著『企業参謀』にも登場しており、改めて重要な考え方なのだと思い知った次第です。

 この本を読むと『自分の言葉で語るということは、ある程度技術を要することである』ということがわかります。話をしたり、文章を書いたりしても、なんだかありきたりで面白くない、と思い悩んでいるあなた。もしかしたら、書き方、語り方の技術を知れば、大化けできるかもしれませんよ?!ということで、オススメです。