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読書感想文・ユダヤ・キリスト・イスラム集中講座(2013年2月分)

題名:ユダヤ・キリスト・イスラム集中講座

著者:井沢 元彦

 ユダヤ教関連の本はいくつか読もうと思いました。がしかし、読もうとペラペラメージをめくるも、どうも盛り上がらず、読む気になれない。ということが続いてたのですが、これは思い切り楽しめ、一気に読みきってしまいました。なぜか?!3つの宗教の比較だからだと思います。比較しているからこそ、共通点、相違点がはっきりして、思わず「そうだったのか!」と唸る部分が多かったです。

 何より、ユダヤ教キリスト教イスラム教を語る上で外せないことは、全て一神教であるということです。そしてユダヤ教はイエスを否定している。キリスト教はイエスも神の御子としており、そうなると神様とイエスがいて、一神教として成り立たない。だからこそ、そこに精霊を加え、三位一体としている。このあたりのことが大変平坦な言葉で書かれているので、しっかりした知識を習得しつつも大変楽しく読むことが出来ます。

 ユダヤ教エホバ(神)はすべての民の中からユダヤ民族を選び、これを積極的にサポートしている。これを『選民思想』というそうですが、このあたりに、世界を牛耳るユダヤ人の強さがあるように思いました。よく、ユダヤ人は土地を持たないことで、教育に力を入れてきた。そのことを数千年繰り返しているから、非常にしたたかで、そして頭がめちゃくちゃに良い。といわれることがあります。そのことは間違っていないどころか、その通りなのだと思います。ただ、『選民思想』を持っているということ。すなわち「自分たちはどの民族よりも素晴らしい。神に選ばれているのだから」という感覚は、自分の行動に強い自信を与えてくれると思います。教育の世界でも「自己肯定感」というものが大事だといわれます。「自分は大切な存在」「自分はかけがえのない存在」と、自分自身のことを思える状態のことです。この感覚をもっていると、少々のことではへこたれなかったり、意欲的に行動できるようになると言われます。

 ユダヤ民族は、『神から選ばれている』ことを担保にした自己肯定感を持っているのではないかと思いました。であれば、ユダヤ民族が強いのもある意味、当然の気がします。ユダヤ・キリスト・イスラムにちょっと興味がある。でも難しい本はちょっと…。といった方でも十分に楽しめる一冊になっていますよ!