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子どもがいるから、自由に生きる。

読書感想文・未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる

 著名ブロガー、ちきりんさんの新刊本『未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる』を読みました。その感想です。

(ちきりんさんのブログ→Chikirinの日記

本の特設ページ→『未来の働き方を考えよう』 | 特設サイト - 本の話WEB )

 Chikirinの日記を日頃から愛読し、本書で何度か紹介されているワークシフトも読んでいましたので、本書の主張は、すんなり受け入れることが出来ました。それでも、IT化、グローバル化については認識通りという印象でしたが、寿命化によるインパクトの大きさと、長寿化によってストックよりもフローが大事になる、いうことについては理解が足りていませんでした。

 寿命が伸びるからこそ、ストックではなくフローが大事になるというのは、世間からも、理解されていないことではないでしょうか?引退の話になると、出てくるのは必ずといっていいほど、『いくら貯めればいいか?』、『老後の人生いくらかかるのか?』という話題になります。が、これからの長寿化を考えると、そもそもその発想では全く対処できない、というのが著者の主張です。

 また、お金はもちろんのこと、人脈もストックよりフローというのは全く新しい視点でした。そして実際に、限られた人脈だけで人生を充実させるというのは、そもそも無理があったのだということに気づかされました。配偶者が死んだら独り身、子どもに見放されたら独り身ということでは、長寿化社会ではやっていけないでしょう。

 ただ、お金にしても人脈にしても、ストックよりもフローが大事になるという流れは、多くの人にとっては喜ばしいことなのだと思います。もともと持っている人(ストックのある人)ではなく、フローを手にいれられる人、そのための努力をした人が幸せになれるということなのです。

 本書では具体的な金額は明かされていないものの、著者がどうやって引退を決めたか、その思考プロセスが書かれています。やはりお金は大きなウエイトを占めていないことがわかります。引退するかしないか、できるかできないかは、お金を今、持っているか、ストックのあるなしではないのです。やるかやらないか、それだけなのだということがよくわかりました。

 フローについての考え方をもう少し細かくみてみると、お金のフローは稼ぐ力、人脈のフローは仲良くなる力と言い換えられるのだと思います。そしてこれらの力は、自ら鍛えていくしかありません。そして現代では、どちらもやろうと思えば、いくらでも鍛えていける環境が整っています。稼ぐ力は週末起業などでいいですし、仲良くなる力は地域で友人を作るために動いてみるなどです。何よりも、実践していくことです。鍛えればどうにでもなるのです。その環境は整っているのです。やはり、やるかやらないかだけなのです。

 最後に、著者はもっとも大事なことは好きなことをみつけることだとしています。私自身、本当に好きなことが何か、まだ見つけられていません。ただ、好きなことを見つけるための努力をすること、好きなことに敏感になること、好きなことを見つけることを諦めない姿勢をもつこと、もっと自分の感性に敏感になり、好きなように生きる!ということに貪欲になろうと思いました。具体的な仕事のことを考えながらも、前向きな気持ちになれる一冊です。多くの社会人に、強くオススメします。