オススメの名作絵本を一挙紹介。パパさんママさん、この本を読んであげれば子どもが喜ぶこと間違いなしです。【後編】
「これ、なぁに?」野菜の切り口のシルエットのページ→次のページには美味しそうな野菜が!ネギ、トマト、タケノコ、レンコン、キャベツといった、身近なやさい11種類の「おなか」(切り口)が登場しますから、子どもの興味はつきません。
「わゴムって、どれぐらいのびると思う?」そんな子どもの疑問にユーモアたっぷりに答えます。そんなはずない、と思いながらもこんなわゴムがあったら、面白い!
53.しずくのぼうけん (世界傑作絵本シリーズ―ポーランドの絵本)
「水が汚れてしまったら、どこで綺麗にしてもらえると思う?」というわけで、クリーニング屋さん、病院など、しずくちゃんが綺麗にしてもらうための冒険をします。水の仕組みについても学べてしまう、お役立ちの一冊。1969年発売ですから、これもまた、ロングセラーです。
54.おおきなおおきなおいも―鶴巻幼稚園・市村久子の教育実践による (福音館創作童話シリーズ)
一色使いの本は数多くありますが、この本は赤紫のみ!そしてこの色が、まさにさつまいもの色!というのが、この絵本を人気にしている一因でしょう。秋のさつまいもの季節に読んであげてください。1972年発売。
55.つきのぼうや (世界傑作絵本シリーズ・デンマークの絵本)
縦長の緑の形がとても印象的な本書。つきのぼうやが空から地へと冒険します。この縦長の本だからこそ、空から地上へ移動する様子がブワン!と広がってきます。ラストもいい!と評判です。
体の小さい、兄弟で一番小さいティッチが、苗を育てて他の兄弟を驚かせる。小ちゃくたって、凄いんだぞ!そんなメッセージをストレートに伝えてくれる一冊。絵も少し古い感じで、それがまたいい味を出していると高評価となっています。
こちらも、上の『ティッチ』と同じパット=ハッチンス著の作品。にわとりのロージーがお散歩します。途中、実は狐が迫ってくるなど危機が近づいているのですが…ロージーはなんのその。何食わぬ顔でお散歩続行。文字がほとんどないので、気軽に読むことができますよ。
58.おやすみなさいのほん (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)
タイトルの通り、寝る前にピッタリの絵本。それは文章のリズムであったり、優しい絵であったり。読んでいるうちにやさしい気持ちになって、穏やかな気持になって、落ち着いた気持ちになって、段々、段々、眠くなる…。
実はこの本は欧米各国語に翻訳され、高い評価を受けています。子どもたちにとって身近な日常、本書では洋服を着ようと頑張るくまくんが登場します。きっと子どもたちは「わかるわかる、その気持ちわかる!」と思いながら本を読んでいることでしょう。
60.ちびくろ・さんぼ
とにかく無性に「ほっとけーきが食べたくなる!」一冊(笑)差別問題などで一時絶版になってしまいましたが、その議論の末、再び復刊されました。17年ですよ、これだけの期間絶版になったら、多くの人は忘れてしまいそうなもの。それでも復刊されたのは、やはり根強い人気の賜物です。
ここからは、食べ物絵本6連発!この本の魅力はなんといっても写真と見間違うほどのリアルな絵!子ども騙しではないリアルな絵だからこそ、野菜がとにかく新鮮で美味しそう。収穫の様子から、そのままかぶりつきたくなるトマトなどが出てきます。食欲、そそられますよ。
『やさい』に続き、今度は『くだもの』です。梨や桃、りんごやバナナなど、子どもが大好きな果物が登場します。皮がついた状態から、皮をむいて「さぁ どうぞ」とまさに今、ここで食べておくれ!と言わんばかりの絵に子どもは大喜び。うちの子は、実際に手で食べる仕草をしながら絵本を楽しんでいます。
『やさい』『くだもの』とはちょっと毛並みが違い、この本では葉から育って収穫されるまでを追っていきます。面白いのは、いちごと会話をしながらストーリーが進むところ。そして出来上がると、できあがった沢山のいちご一斉に「さあ どうぞ さあ どうぞ」と話かけてくれます。いちごから、話しかける。そのシチュエーションがなんともいいようです。
この絵本も『やさい』『くだもの』『いちご』と同じ著者、平山和子さんがイラストを書いています。そのリアルな絵が、おにぎりを一層美味しそうに際立たせます。この絵本を読んだ後、一緒におにぎりづくりをしてみるのも楽しいかもしれませんよ。
空のお弁当箱。そこに1つずつ、具材が入ってきます。あつあつご飯に、ミートボール、ふっくら玉子焼き。大好きなお弁当が絵本の中で順番に完成していく様に、子どもは釘付け。出来上がったお弁当を持って、さぁ、どこにいこうかな!!
お弁当の次は、サンドイッチだ!というわけで、サンドイッチの本。ふわふわのパンに、新鮮な野菜。どれもそのまま食べてしまいたくなるけど、我慢我慢。サンドイッチ サンドイッチとくり返しの単語が出てくることで、リズミカルに話が進みますし、食べ物が出てくるので、小さい子でも楽しめます。
67.11ぴきのねこ
11ぴきのねこシリーズの記念すべき第1作目です。第15回サンケイ児童出版文化賞受賞作品。11匹のねこたちの迫力ある活躍、そして力をあわせると、こんなことまでできるんだ!ということを、可愛いイラストを通して伝えてくれます。
雪にまつわる、男の子の話。シンプルなストーリーながら、切り抜き、水彩絵の具、コラージュなどの手法を使ったイラストにセンスを感じます。子どもも喜びますし、大人が鑑賞しても面白い。子どもには是非、この本のようなセンスのいい、上質なものを与えてあげたい。そんな気持ちになりますね。
このお話、名前は聞いたことがある。という方は多いかもしれませんね。重厚な色使いで、クマ、森の雰囲気がとても良く出ています。決して怖いわけではないですが、あまりポップ過ぎるのも、このお話には合わないと思うのです。その点、この本のこのイラストは、このお話の雰囲気、世界観にピッタリです。
70.よかったねネッドくん
よかったねネッドくん!パーティーに招待されて!でも…ということで、いいこと、悪いことが交互に起こるネッドくん。子どもはハラハラ、大人は突飛な展開にクスクス。オチがわかっていても、その面白さから、何度も読んでしまいまう。ユーモアのセンス抜群です。
71.ぶたのたね
ぶたを食べたいおおかみ。でも足が遅くて捕まえられず、一度もぶたを食べたことがない。そこでぶたの成る木が生える、ぶたのたねをもらって…というお話。木にぶたができる姿は圧巻。食べ物の成り立ちとして、間違っている!なんて難しいことは言わず、お話を純粋に楽しみんでみてはいかがでしょう?
子どもって、なぜだかどうして「あな」が好きですよね。このお話はその「あな」から不思議な世界に行くお話。表紙はちょっとこわいですが、言葉の響きもよく、子どもの心をしっかりと掴みます。
『ねないこだれだ』と同じ、せなけいこさん著。揚げ物が好きな子どもは多いですから、好きな天ぷらと、おばけが一緒にでてくるお話。おとぼけのうさぎも魅力です。
74.はなのあなのはなし (かがくのとも傑作集―わくわくにんげん)
誰にでもある、鼻の穴。その謎に迫ります。科学絵本ですが堅苦しくなく、笑いながら楽しく学べる最高の科学絵本の一つです。
おもちゃ売場に売られている、くまの人形のお話。最初はママにダメと言われますが、どうしてもこのぬいぐるみを気に入った女の子。寂しいのって、嫌だよね。一緒にいるのって、いいよね。そんなことを教えてくれる絵本です。
76.ぼく、だんごむし (かがくのとも傑作集 どきどき・しぜん)
だんごむしという、地味だけどどこでもみかける虫がメインなのがグッド。大人も驚くだんごむしの秘密を次々と教えてくれます。可愛いイラストに侮る無かれ。かなり本格的な内容です。
77.いろいろバス
ここからは、ユニットで活躍しているtupera tuperaの作品を5つご紹介。1つ目はこの『いろいろバス』。バス好きの子どもにはたまらない一冊。うちの子もバスが通ると「ば!ば!」と盛り上がっているので、この絵本もお気に入り。電車やはたらくクルマに比べると、バスの絵本って少ないんですよね。
2冊目は『やさいさん』いわゆる簡単なしかけ絵本。縦にめくると隠れていた野菜が出てくるという、そこまで仕組み自体は珍しくない内容なのですが。これはもう、間違いなくイラストの魅力でしょう。子どもはとにかく食いつきます。ぜひ試してみてください。
『やさいさん』に続いて今度は『くだものさん』。仕組みはやさいさんと大きく変わりません。絵本を縦に開くと、隠れていた果物が出てくる。それでもやっぱり面白いのは、子どもを強烈に惹きつけるイラストの力。『やさいさん』と一緒にどうぞ。
『やさいさん』『くだものさん』と同じように、縦にめくる絵本。ただ、この本は意外性を楽しめます。カウボーイやコックさん、ぼうしをとったら、何が出てくるかな…?
81.しろくまのパンツ
最後に紹介するtupera tuperaの1冊は、『しろくまのパンツ』。人気の絵本で、実はTシャツが発売されたりもしています。パンツの形をした本の帯もたまらないです。
続きましては、レオ・レオーニの3冊をご紹介。一冊目は、『あおくんときいろちゃん』。青と黄色の丸が、まるで生き物のように動きまわります。ただの丸のはずなのに、感動せずにはいられない。不思議な一冊です。
レオ・レオーニといえばこれ!という方も多いでしょう。『スイミー』です。独特のイラストが印象に残る上に、「弱くても力を合わせれば、強くなれる」といった、大切なことをも教えてくれます。教科書で読んだ方も、是非、絵本のスイミーを楽しんでみてください。
84.アレクサンダとぜんまいねずみ―ともだちをみつけたねずみのはなし
生物の無生物の友情のお話。なんですけど、とにかく感動します。自分が読んだのは小学生の時。実は、レオ・レオーニといえば、スイミーよりもこちらのほうが印象に強いです。大人になってから読んでも「やっぱり、良い…」と、胸が熱くなりました。
ストーリー、イラスト、共に美しく、今も多くの人を魅了しています。自己犠牲や、人のために生きるということについて考えさせられる本。かといって、やはりイラストの美しさからか、3歳の子どもでもお気に入りの子がいるそう。絵本というのは侮れませんね。
おもての大きなモチモチの木がおっかなくて、夜ひとりではセッチンに行けない豆太。ある夜、ジサマの具合が悪くなり…。『花さき山』と共に、ベストセラーになっている一冊。もちもちの木の実でつくおもち。気になります。
87.スーホの白い馬―モンゴル民話 (日本傑作絵本シリーズ)
モンゴルのお話、そして落ち着いた色彩とトーン、そしてちょっと悲しいストーリーが読む人の心に訴えかけます。ある程度ストーリーがわかるようになった子どものほうが楽しめるでしょう。
88.あめのひのえんそく
子どもにとっての遠足、何よりも楽しいものですよね。その遠足をテーマにした一冊。雨が降っているけれど、到着している頃には止むかなぁ…。そんなドキドキとともに、最後のページであっと驚く、幸せなラストが待っています。
いとこのしんちゃんちにいくために、電車に乗って小旅行。新幹線が出てくるページでは、思わず絵本から新幹線が出てくるのではないか?!という、不思議な臨場感があります。木版画ならではの暖かみがあるイラスト、田舎の風景も読んでいる大人の心をほっこりさせてくれます。
ちょっとおっかない絵かな?なんて思うかもしれませんが、意外と子どもはそんなことは気にしない様子。上方落語「地獄八景亡者の戯」を題材にした作品で、地獄って確かにこんなところかも。でも、この面子とだったら、ちょっと行ってみたいかも。なんて気持ちになります。
絵本に対して、ねずみくんがちっちゃい。ちっちゃいから、可愛い!これだけ空白の空間をうまく使った絵本、なかなかありません。登場する動物たち、それぞれの可愛らしさも印象的。
著者の佐野洋子さんの本では『100万回生きたねこ』のほうが有名かもしれませんが、オススメしたいのはこちら。雨が降っても、傘をささないおじさんの話。そんな馬鹿な。と思うんですけど、その気持ち、わからなくもないかも。
謎の色玉がころころころと転がる話。音が楽しいので赤ちゃんから楽しめます。そして動きがありますし、まるで生きているようにころころころと動くので、もう少し大きくなった子どもは、自分で読みながら楽しめるようになりますよ。
『ころころころ』と同じく、擬音と不思議なイラストで楽しめる絵本。この生き物?は一体…という大人の感覚を無視して、子どもは大喜びします。子どものツボはよくわからない…。だから、いいんです!
なんでも洗濯する、肝っ玉母ちゃんのせんたくかあちゃん。そのあっけらかんとした姿に、思わず熱が入ってしまうお母さんも多いのでは?この豪快さに、子どもの目線も釘付けです。
まず目につくは、可愛らしいイラスト。でも、ストーリーも単純ながら、面白い。主人公のひよこが、通りがかる動物たちと次々に「鳴き声」をとりかえっこ。最後はネコに襲われそうになるも…。とりかえっこする不思議さと、ひよこが様々な鳴き声を出すアンバランスさが、子どもに大ウケです。
工事現場ではたらくクルマが、沢山でてきます。クルマが単に羅列してあるだけではなく、実際の工事している姿なので、リアリティ満点。ディティールも細かいです。うちの子は、全てのページに陰ながら登場している、犬に喜んでいました(笑)
ここから最後の100冊目までは、安野光雅さんの本を3冊ご紹介して、締めくくりたいと思います。『はじめてであう すうがくの絵本 (1)』は、かなり堅い印象ですが、ご安心を。安野さんの絵本は絵がとにかく面白い。細かいところまで書き込まれていて見ていて全く飽きない。数字のことはよくわからなくても、「なんだか楽しいもののようだ」そんな感覚で数字と友だちになれること間違いなし。数の世界を楽しんでください。
『はじめてであう すうがくの絵本 (1)』は数の絵本。こちらはアルファベットの絵本。そしてこの絵本もとにかく絵が細かく描き込まれていて、やっぱり見ていて飽きない。1ページ1ページが本当に丁寧に描き込まれていて、文字は全くないのに(Aのページ、Aと描いてあるのみ)、じっくりと親子での会話を楽しみながら読むことができます。とにかく楽しみながら、アルファベットに親しむことができます。
100.あいうえおの本
数、アルファベットと続きましたから、こちらを紹介しないわけにはいきません。というわけで、最後に紹介するのは、『あいうえおの本』。あいうえおに関する本は、子どもに字を覚えさせたい。という親心の影響もあってごまんと出ていますが、この本を超えるものは、早々ないでしょう。特徴はすうがくの絵本、ABCの本同様に、イラストの精密さ。1つのページをじっと見ているだけで、時間があっという間に経ってしまう。そんな魅力に包まれています。結果的に、ひらがなが全部読めるようになっていた。なんてこともしばしば。うちの子もやはりこの本のおかげか、全く教えていないのに、かなり早くひらがなが読めるようになりました。
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